広場のぶどう棚
金剛山系の山麓に抱かれた富田林の大地は、石川の水と山から吹き下ろす風を受けながら、古くからぶどうをはじめとする農の営みを育んできた土地である。サバーファームには今もなお大きな葡萄畑が広がり、季節ごとに実をつけながら、農と人の関係を静かに更新し続けている。
そのただ中に、接ぎ木の平面構成から着想を得た骨格が立つ。ビニールハウスのような軽やかな反復と張力を参照し、白い線の束は大地に対し軽やかな線材のシェル構造が立ち上がる。
土に還ることを前提に配合された土セメントのベンチ、周辺地域の倒木などから切り出されたスツール。これらは装飾ではなく、この土地の素材と記憶を身体に宿すものとして、場にそっと置かれている。
やがてぶどうの蔓がこの骨格を覆うとき、この構造体が農の生態系の一部として影をつくり、人を集め、やがて土へと還る。





information
| 所在地 | 富田林市 |
| 用途 | 休暇施設 |
| 設計監理 | 今津修平+織田楓花 |
| 構造設計 | 片岡構造 |
| デザイン | 細川夏樹+林加津葉/Bowl |
| 施工 | 住僖・C.RAFT |
| スツール | 大龜孝嗣/三と四 |
| ベンチ | 近畿壁材 |
| 竣工 | 2026年3月 |
| 写真 | 岡田和幸 |




