庭池と石庭
夕照庵は、滋賀県立の都市公園「びわこ文化公園」内にある公共の茶室である。公園開園から2年後の1986年に竣工し、これまで来園者向けの呈茶施設として運営されてきた。
茶室の正面に広がる日本庭園「夕照の庭」は、近江八景のひとつ「瀬田の夕照」をモチーフに、造園家・伊藤邦衛と、近江五個荘で江戸時代から続く老舗造園会社「花文」によって作庭された。
この築40年の茶室をベーカリーカフェとしてリニューアルするというプロジェクト。クライアントは、公園の指定管理を受託している造園会社だった。
ぼくたちが依頼を受けたのは店舗の内装リニューアルだが、どうにか造園的なアプローチで、クライアントの得意な分野でコラボレーションできないかと考えた。畳の間、欄間、雨戸、坪庭の木々には、ほとんど手を入れず、石を運んで据える、造園作業に近い工程を店舗工事に取り入れた。
石は荒々しい肌のまま据えられているが、部分的に磨きを掛け人の手仕事を施している。鉄板は薄く頼りないくらいの厚みとし、水面に顔を出す石がまとう波形のように見えなくもない。
エントランスから庭池に至るまでの待合に水面と接続する石庭を設え、夕照庵を庭の続きとして開いている。








information
| 所在地 | 大津市 |
| 用途 | 飲食店 |
| 計画面積 | 200.46㎡ |
| 設計監理 | 今津修平+右田知哉 |
| 施工 | 清水建設工業 |
| 企画 | 日と々と |
| 運営 | 西武造園 |
| 竣工 | 2026年6月 |
| 写真 | 岡田和幸 |

