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所在地 :道の駅 神戸フルーツ・フラワーパーク大沢
用途  :道の駅
延床面積:596.84㎡
企画運営:北神地域振興
総合監修:AKIND
収支計画:小泉寛明/Lusie
設計監理:今津修平/MuFF
照明設計:NEW LIGHT POTTERY
施工  :あかい工房
竣工  :2017年3月
写真  :今津修平
受賞  :2021 地域材利活用建築デザインコンテストin兵庫 優秀賞
2022 第4回神戸市都市デザイン賞


interview

2023年7月

道の駅「神戸フルーツ・フラワーパーク大沢」内に建つ、地産地消を遊ぼう!を合言葉に地元食材の直売や料理を 楽しむことができる施設。運営を行っている株式会社北神地域振興の高山さんにお話を伺った。

サーカス小屋が現れる
FARM CIRCUSという施設名にもなっているサーカステントのような建物が3棟。マーケット、カフェ、レストランの用途に分けて構成している。
「元々30年前に神戸市立フルーツ・フラワーパークとして開園し、2017年に道の駅の中核施設としてFARM CIRCUSをオープン することになった。リニューアルする際に考えたのは地域の人が楽しめることと、地域外の人呼ぶために目的地化しないといけないなということ。果樹園、遊園地やホテルもある広大な公園の一部なので、人の目を引き、あの場所と思い浮かべられるアイコニックな建物を目指しました」と高山さん。
元来サーカス小屋というものは海外の文化を知る一つのきっかけだが、本プロジェクトでは神戸市北区のとても豊かな地域資源を世界に向けて発信したいという思いを込めてサーカス小屋というモチーフが決まった。

 商品販売に寄り添った設計
「天井高が高いので縦に高さを活かした商品陳列を行っています。他の直売所などをたくさん見に行きました が、同じような見せ方をしてるような場所というのはほとんどなかったです。今津さんと相談する中で、海外の市場で見る ようなレイアウト案を持ってきてくれたのが新鮮で。できるだけ販売につながるように人の動線や目線なども考えて 設計してくれました」
従来の直売所とは少し違っているため農家さんには戸惑いがあったようだが、商品を買っていただく様子などを共に見て安心感を持ってもらったのだとか。農家登録数は当初から3倍ほど増え、新規就農者の方も加わっているようだ。地域活性化に一 役を買っている様子について、にっこりと話をしてくれた。

力強さを感じられる地元木材
本施設は、2023年2月には神戸市都市デザイン賞(木のぬくもり建築部門)を受賞。建物の外壁には県産のスギ 材、什器には六甲山の間伐材など地産材を積極的に活用し、にぎやかさと親しみやすさを感じる施設で循環型社会の実現に寄与している点が評価されている。 「小さい頃から祖父に山へ連れて行ってもらったりしていて里山の資源を身近に感じていたので、地域の木材を使いたいという思 いは常にあります。コストが高騰している中ではあるが、今後もできるだけ使っていけたらと考えています」

次の場所づくりに向けて
「仕事として関わっているだけではなく自分たちが作るという思いで、地域に主体性を持って関わるチームを構成できたことは、すごく意味があると感じています。チームメンバーそれぞれの性格もやっぱりだんだん分かってくるかな」
良いチームの関係性はその後も継続していて、神戸市北鈴蘭台で新たにレストランや産直市場のあるコミュニティ型複合施設の設計が進んでいるところだ。次はどんなワクワクする景色を見せてくれるのだろうか。

気軽に立ち寄れる明るい雰囲気を目指したいと、新たなチャレンジが続いていく。

文:寺田愛