敷地は丹波篠山市の自然豊かな環境の中にあります。
前面道路から4m程度上がっていることで車の喧騒から離れ、東西南北すべての方角に山や雑木林を望むことができます。
この豊かな自然に包まれた土地で、どこに建物を配置し、どのように自然に対して開くことが心地良いのか、自然環境との距離感や関係性・眺望や採光・通風を意識して建物のあり方を検証しました。
3つの閉じられた土の固まりのような箱を、周辺環境や構造力学的バランスを考慮しながら北東西の3方向に配置しました。また、その間に生まれた2つのヴォイド(空間)を、自然環境に対して開かれた外部空間のようなリビングとして設えました。
その2つのリビングにはそれぞれ囲炉裏と薪ストーブを設け、火の周りに自然と人が集い時間と空間を共にします。その様は、人間が生物として持っている根源的な暮らし方を示唆するようでもあります。

所在地 :篠山市
用途  :専用住宅
延床面積:132.46㎡
設計監理:今津修平+川上真誠+北川浩明
施工  :あかい工房
竣工  :2020年12月
写真  :平野和司
受賞  :2021年地域材利活用建築デザインコンテストin兵庫 奨励賞